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「米軍綱紀著しく弛緩」 裁判長、異例の批判 - z

2005/02/11 (Fri) 22:07:45

「米軍綱紀著しく弛緩」 裁判長、異例の批判

 宜野湾市内で2003年10月、通行中の男性を襲い現金を奪ったとして、強盗致傷の罪に問われた在沖米海兵隊普天間基地所属の伍長ポール・マンデル(23)、上等兵ジョシュア・メージャー(25)の両被告の控訴審判決が20日、福岡高裁那覇支部であった。窪田正彦裁判長は、マンデル被告に強盗罪と傷害罪で懲役3年6月の実刑、メージャー被告に傷害罪で懲役2年と執行猶予3年を告げた一審判決を破棄。両被告に強盗致傷罪を認定し、懲役4年6月を言い渡した。窪田裁判長は、多発する米軍人らの事件に触れた上で、米軍は被告らの口裏合わせを防止する措置を講じなかったと指摘、「米軍の綱紀が著しく弛緩(しかん)している」と述べた。裁判所が米軍の対応を批判するのは極めて異例。
 同事件では、三容疑者(1人は不起訴)の身柄が日米地位協定に基づき、起訴前まで米軍管理下に置かれた。米軍は身柄を不拘束とし、基地内禁足処分にとどめ、3人は起訴前まで兵舎内で自由に会える状況だった。検察は一審で、被告らの間で取り調べに対する口裏合わせがあったと指摘。国会でもこの問題が取り上げられた。
 窪田裁判長は一審と同様、口裏合わせがあったと認定。「海兵隊上層部は事件発覚後、口裏合わせを防止する適切な措置を講じず、放置した。凶悪事件という重大な認識に欠け、海兵隊全体がそのような状況なら、被告らが本件の犯行を安直に思いついても不自然ではない」と厳しく断じた。
 強盗致傷の認定については「所持金不足の動機や、被害者を約1キロにわたり追跡するなど、強盗の共謀が最初からあった。供述も変遷し、信用できない」と述べ、「強盗の意図はなかった」という被告らの主張を退けた。
 量刑理由で「犯行は計画的、組織的で悪質。米軍関係者による犯罪の多発が県民に大きな不安を生じさせていることは軽視できず、結果は重大」とし、一審判決を上回る実刑を告げた。
 被告側弁護士は「具体的な証拠もないのに強盗致傷を認定したのは納得できない。上告は検討後、決めたい」と語った。

<ニュース用語>2米兵強盗致傷事件
 2003年10月、宜野湾市の路上で、普天間基地所属の海兵隊員3人が会社員の男性(20)を襲い、暴行後に現金を奪って逃走。男性は1週間のけがを負った。県警から通報を受けた米軍は、基地に戻った被告らを拘束。日米地位協定17条5項Cに基づき、起訴前まで米軍側で「拘禁」したが、軍刑務所には収容せず3人は兵舎内で自由に会える状態だった。2人が強盗致傷罪で起訴され、検察は一審で証拠隠滅の口裏合わせを指摘し、懲役8年を求刑。那覇地裁は04年4月、共謀は傷害罪のみで、強盗罪は単独という被告側の主張を認めて、判決を言い渡した。検察側が控訴していた。
(琉球新報) - 1月21日11時4分更新

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